商品レビューに取り憑かれた男
前回の記事でも言ってるとおり、僕はいま商品レビューがしたいんです。
それでamazon アソシエイトの審査に申し込みました。
amazon アソシエイトの審査に通った暁には片っ端から商品をレビューしまくりますよ。
審査に通った日から僕のレビュー人生が始まるんです!!
輪ゴムから割り箸から紙コップまで! なにからなにまでレビューしますよ!!
待ってろよ憎っ気、商品たち! 俺がお前らをレビューしてやる!
レビューしてレビューしてレビューして。
そしていつしか気づくのです。
もうレビューする商品がない事に……。
商品レビューに取り憑かれた男
むかーし、むかしの事じゃった。
商品レビューに人生を捧げた男がおったそうな。
来る日も来る日もその男は商品レビューに明け暮れた。
そして、ついにレビューをする商品が無くなってしまったそうな。
「どうすればいいんじゃ。
ワシはレビューしかしてこん人生じゃった
レビューする商品が無くなった今、ワシはどう生きたらいいじゃ」
レビューする商品が無くなったのは男が年老いてからだった。
レビューばっかりしてたせいでもちろん一人身だ。
レビューをこよなく愛した故の男の悲しい末路だった。
男は唯一の生きがいを無くして悩んでおった。
ある日の事。その日は大雪じゃった。
夜分遅くに男の家の戸が叩かれた。
「ごめんください。夜分道に迷ってしまい。今晩、泊めてくれませんか?」
そこには若い綺麗な娘が立っておった。
「こんな大雪の日に大変じゃの。ささ、中へお入り。いま温かいお茶を入れてやろう」
男は快く娘を家に入れてあげた。
だが次の日も、その次の日も雪は止まず仕方なく娘は家にとどまっていた。
その間、娘は家の掃除や料理を作ったり、男の身の回りの世話をした。
男は大層、娘が気に入った。
「お前はなんていい娘なんじゃ。働き者で気がきくし、ずっとわしの家にいてほしいわい」
すると娘は
「私は身寄りがありません。おじいさんがよれけば、どうかこの家においてください」
男は喜んで申し出を受けいれた。
男と娘は幸せな毎日を過ごしていた。
ある日。
「おじいさんに恩返しがしたいので、どうか隣の部屋を使わしてください」
「ええぞ。でも一体なにをするんじゃ?」
「それは秘密です。けして中を覗かないでくださいね」
娘はそう言うと隣の部屋にこもった。
男は娘が隣の部屋で何をしているのかが気になった。
男は我慢できずに隣の部屋を覗いてしまった。
「!?!?」
そこには娘の姿はなく、大きな輪ゴムがおった。
「おじいさん。見てしまったんですね。しかも初っ端から」
輪ゴムが喋り出したではないか。
「おっ、おお、お前は!?」
「私はあの時、レビューしてもらった輪ゴムです」
「なっ、なんと!?」
「姿を見られたからにはもうここにはいられません。これは私が作った輪ゴムです」
娘は箱に入った大量の輪ゴムを男に手渡した。
「なっ、なんと!?」
「これを町で売って幸せに暮らしてください」
「なっ、なんと!?」
「おじいさん、最後のお願いです。私を空に向かって弾いてください」
「なっ、なんと!?」
男は言われた通りに戸を開けて娘、もとい輪ゴムを空に向かって弾いた。
「ありがとう。おじいさん。どうかおたっしゃで」
娘、もとい輪ゴムは遠い空の彼方へと消えて行った。
「……な……なんと……」
男は娘、もとい輪ゴムに言われた通りに町で大量の輪ゴムを売ろうと試みた。
だが、輪ゴムは全く売れない。
輪ゴム掴み取り100円!!などやってみたが売れるはずもなかった。
結局、不審者だと通報があり男は警察に連れて行かれたのだった。
めでたしめでたし。
まとめ
輪ゴムのレビュー……これはいけるぞ!!